植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2010年07月07日

変動金利ローンが9割超

null null

年金払い保険への二重課税を違法とする最高裁判決
(保険会社の事務・システム負担はどうなるでしょうか?)や、
大相撲名古屋場所のNHK生中継中止など、
ブログのテーマには事欠かない毎日ですが、
週末の新聞を見て驚いたので、こちらにしました。

3日(土)の朝日新聞によると、メガバンクの住宅ローンは
今年に入り、変動金利型が全体の9割を超えたそうです。

一般的な変動型の提携金利は1%を下回っています。
この水準では銀行もあまり儲かってはいないでしょう。

長期固定金利の住宅ローンの代表である「フラット35」の金利は
年2.5%程度と決して高くはないのですが、目先の負担が
月数万円違うとなると、顧客は変動金利型を選んでしまうのでしょうか。

確かに10年以上も低金利が続いており、しばらく上がりそうにも見えません。
仮に上がったら固定型に切り替えればいい、という判断
(あるいはセールストーク)なのかもしれません。

しかし、新聞に載っていたFP深田晶恵さんの
「上がったら固定型に切り替えるという考え方は非現実的」
というコメントに私も同感です。

35年返済の住宅ローン5000万円(元利均等払い)では、
毎月の返済額は金利1%で14.1万円、
2%では16.5万円、3%では19.2万円です。
変動型は固定型より月々3万円は返済額が少なくてすみます。

ただ、この14.1万円という返済額を前提に家計を固めてしまうと、
残高があまり減らないうちに少しでも金利が上がると
たちまち家計は苦しくなります
(返済期間が長いと残高はなかなか減りません)。

しかも、その時点で固定金利型に変えようとしても、
当然ながら金利は今の水準よりも上がっています。
もし返済額が月5万円も増えたら、家計は回るのでしょうか。

多額の借金を抱える日本政府は、長期固定金利の国債を中心に
資金を調達しています。それでも、金利が上がると利払い負担がかさみ、
苦しくなるのは必至です。

政府の財政も心配ですが、銀行のリテールビジネスの柱である
住宅ローンがこれでは心許ないですね。


※写真は地元・熊野神社の「星祭り」です。
 和楽器クラブの小学生が演奏を披露しました。

ブログを読んで面白かった方、なるほどと思った方はクリックして下さいね。

コメント一覧

ケンサン  (2011年04月19日 18:05:50)

記載内容があまりに不正確で不適当なので、コメントさせていただきます。まず、35年5000万円の住宅ローンが、変動金利1%で月返済額14.1万円に対し固定金利3%で月19.2万円(%ではなく)とすると、その差額は3万円ではなく5万1千円です。もし、この固定金利で借りることのできる人であれば、変動金利にしても、まったく問題ないでしょう。万一、変動金利が5年後に3%に上昇しても、その時点での残債は固定の場合よりも、ずっと減っていますので、金利上昇の衝撃は少なくなりますし、固定金利にしたつもりで「家計を固定」していれば、手元に300万円余りの資金ができますので、それを繰り上げ返済にして、上昇分を軽減することもできます。そもそも、2%以上の金利上昇が一時に起こるとは考えにくく、仮にそうなっても、月返済額の上昇も25%までに抑えらるため(3万5千円程度)、当面の家計への負担は最初から固定にしているよりも少なくなります。そして、それでもなお固定にした場合よりも、返済額に占める元本部分は大きいのです。つまり、起こりうるリスクに対し十分な準備をしておけば、変動金利ほど適切な住宅ローンはありません。現状では、むしろ、所得の減少リスクの方が可能でいが高いので、月返済の大きく身動きのとりにくい固定金利こそ、返済困難に陥る危険性が高いでしょう。それでもまだ、変動金利のリスクを主張されるのであれば、過去10年間の住宅ローン破綻者のうち、一体どの程度が変動金利の人なのかデータを取ってお示しになってはいかがでしょうか。

植村  (2011年04月21日 02:04:54)

表記ミスのご指摘ありがとうございます。
ここでは固定型を年2.5%としているので、
差額をざっくり3万円と書きました。
わかりにくくてすみません。

ご指摘の通り、差額を金利上昇時の準備として
貯蓄しておけば確かにバッファーとなります。
しかし、ここでは年14.1万円で家計を固める
(起こりうるリスクへの備えは考えない)
としていますので、「十分な準備」は想定していません。

取り急ぎ補足させていただきました。

ケンサン  (2011年04月23日 16:49:28)

ご回答をいただき恐縮です。また、理解不十分な点があったようです。ですが、せっかくですので、こちらも少し補足を。
ある人が5000万円の住宅ローンを35年元利均等返済ボーナス払いなしで借りる場合、金利2.5%のフラット35を選ぶと月当たり178,748円になり、他方、金利1%の変動では141,142円で、その差額は約37,600円となります。この人が「起こりうるリスクへの備えは考えない」とすると、たしかに金利上昇に際しては変動の方が影響を受けますが、その時点からでも遅まきながら家計を見直して、少なくとも上の差額分までは対応できます(もともと178,748円でもローンを組めたわけですから)。これを金利換算すると、何年目に上昇が生じるかによっても変わりますが、だいたい1~1.2%上昇分程度は吸収できます。また、上昇するまでの間については、フラットよりも多く残債を減らしています。
これに対し、収入の減少リスクが現実化した場合(もっとも起こりうる可能性が高いのは夏冬の賞与のカットです)、フラットの方が深刻な事態になります。なぜなら、変動の方はフラットとの差額分までの家計の見直しがやはり可能ですが、「起こりうるリスクへの備えは考えない」でいる以上、フラットではより金利の低いローンに借り換えない限り、住宅を手放さなくてはならなくなるからです。
返済が滞った時の銀行の対応は冷酷です(最近は金融庁の指導もあって少しはましになりましたが。)そもそも、ノンリコースローンが主流の欧米と違い、日本の住宅ローンはどこまでも返済を遡及するリコースローンであるという点で、それ自体が(フラットであろうと変動であろうと)きわめてリスクの高い金融商品であることを肝に銘じておく必要があります。また、金消契約の約款を注意深く読めば、借り手に非常に不利な条件であることも明らかです(保証会社制度や銀行都合での金利変更など)。
このような危険な金融商品を利用するにあたって、「何のリスク対策も考えない」ということは信じられません。もし、そのような人がいるとすれば、FPや植村さんのような方は、固定金利を勧めるのではなく、住宅ローンそのものの恐ろしさを説いて、借入を止めさせるべきでしょう(また当然ですが、金利1%でなければ組めないという人も借りてはいけません)。
ですので、この「起こりうるリスクへの備えは考えない」とする設定は(そして5000万円という借入金額も)、きわめて不自然な印象を持ちました。文中で引用されている深田さんの記事は読んでおりませんが、彼女の他での発言や記事に照らせば、変動は危険だからよせというのではなく、リスクを取るにはそれに対するヘッジが必要と言われているように思います。そして、フラット35であっても、高いリスク(変動とは質の異なる)を負うわけですから、金利上昇リスクのみで固定金利を勧めるのは公正を欠くと思います。
ついでに言えば、植村さんも認めておられるように「10年以上も低金利が続いており、しばらく上がりそうにも見えません」。多くのFPの方は現在が低金利の底なので今後は上がっていくと述べられますが、住宅ローン金利に限って言えば、金利は未だ低下局面にあると思います。
たしかに政策金利はもはや下げようのないところまで来ています。ですが、金融機関の金利優遇は10年前よりも一層進んでおり、今や1%を切るものも珍しくなくなりました。それに加え、保証料のないものや繰り上げ返済手数料の無料化も増えてきています。これらを金利換算すれば、不況により企業への貸し出しが低迷している現在、住宅ローンの実質金利がさらに下がることも予想されます。そして、欧州金融危機の顕在化や中国バブルの崩壊が起こると、さらに不況が深刻になり、金利はますます抑制されるでしょう。
金利低下局面では変動金利を選ぶのが基本であるとすれば、その意味でも「現状では」変動金利がもっとも適切なローン選択ではないでしょうか。

少し長くなってしまいましたが、以上です。

植村  (2011年04月25日 23:39:22)

ありがとうございます。
おっしゃるとおり、固定か変動か以前に
住宅ローンを組んで購入すべきかどうか、
あるいは、住宅ローンを提供すべきかどうか、
だと私も思います。

コメントをする

植村信保ブログ プロフィール ライブラリー お問い合わせ