
2010年02月18日

保険分野とは直接関係のない話が続きますが、ご容赦下さい。
朝日新聞の夕刊に、ジャーナリストの池上彰さんの
「新聞ななめ読み」というコラムがあります。
15日は「トヨタ大規模リコール ジャーナリズムの試金石」でした。
巨大スポンサーであるトヨタのリコール問題を
新聞やテレビがどう扱っているか紹介しています。
コラムによると、9日の豊田章男社長による緊急おわび会見を、
新聞やテレビは次のように伝えたそうです。
・他の民放がこの問題を扱うとき、なんとなく腰が引けていたのに比べ、
NHK(夜7時のニュース)は堂々たる扱いだった。
・朝日新聞は「欠陥」ではなく「不具合」とマイルドに表現。
記者会見の一問一答の見出しも社長に好意的な表現。
全体としては微温的な扱い。
・読売新聞は「『安全』から一転『欠陥』」「トヨタ社長歯切れ悪く」と
トヨタを厳しく批判する姿勢が紙面からうかがえる。
・日経新聞は経済紙なのに扱いが小さく、「信頼回復へ陣頭指揮」と
社長を持ち上げるなど、トヨタへの批判的な視点が見当たらない。
内容の面白さもさることながら、コラムが掲載されている朝日新聞に
遠慮しない池上さんの姿勢にも好感が持てますね。
※鶴見線シリーズ。終点の扇町駅(左)と近くの運河(右)です。
まさに京浜工業地帯という感じがしますね。
2010年02月11日
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本日(2/11)の日経1面です。
金融庁は2010年3月期から上場企業等の情報開示を強め、
役員報酬の個別開示を義務付ける方針とのこと。
普通の記事のほかに下記のような「解説」がありました。
・金融庁が役員報酬の開示を企業に義務づけるのは、
経営への監視を強めるのが狙いだ。
・だが、役員報酬が突出しにくい日本で、
情報開示の義務化を急ぐ理由が本当にあるのか。
コーポレートガバナンス改革を進めるうえで、
優先的に取り組む課題かどうか疑問が残る。
(他の優先課題については示されていません)
・開示の範囲について、国際的な合意があるとはいえない。
・日本企業の役員報酬は米欧ほど高くない。
それでも厳しい情報開示を求める理由はなにか。
政府の説明責任が問われる。
・日本の事情も考慮し、実効性があるかどうかを
検証する必要がありそうだ。
私にはこれが「解説」とはとても思えませんし(社説ならわかります)、
反対意見にしては説得力が弱いように感じます。
個別開示の是非については、ここでは語りません。
ただ、一般的には経営の透明性を高めることが
ガバナンス強化につながると理解されているわけですし、
実際に情報開示も進んできました。
役員報酬の個別開示に経済界が反発するのはわかります。
しかし、どうして市場機能の一翼を実質的に担っているマスコミの一員
(しかも経済紙)である日経が、経営の透明性を高めようとする話に
否定的な記事を書くのでしょうか。
もし日本企業の役員報酬が米欧ほど高くはなく、
開示による効果が米欧ほどは期待できないにしても、
ある程度のガバナンス向上にはつながる(マイナスではない)
と考えるのが普通です。
他のガバナンス向上策とは違い、コストもほとんどかかりません。
開示によるマイナス効果が大きいというのであればわかりますが、
そうであるならば、読者としてはそれこそ解説してほしいです。
「日本で義務化を急ぐ理由があるのか?」と
国際的な流れとは異なる動きを主張しながら、
「開示範囲に国際的な合意がない」というのも変ですよね。
説明責任が問われるのは政府よりも日経のほうではないでしょうか。
※鶴見線シリーズ第2弾。
この浜川崎駅は鶴見線から同じJRの南武線に乗り換えるのに、
改札口を出て道路を渡り、別の改札口を入る仕組みになっています。
左が鶴見線、右が南武線です。
植村信保(Uemura Nobuyasu)。
保険アナリストとして、主に生命保険会社や損害保険会社の経営分析を行っています。
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