
2009年02月11日
いよいよ生損保の4-12月期決算が2/12、13に発表となります。
他の業界と違い、この二日間に集中しているのはなぜでしょうね。
10日の日経にコメントが載りました。
「三井生命、朝日生命、1000億円規模の最終赤字、株などで評価損」
という記事のなかで、
「(2001-03年)当時と比べて逆ざや負担も減り、契約者の解約も少ない。
生保危機のような状況ではない」
というコメントです。
もちろん、資産価格下落の影響は決して小さくないとは思いますので、
「生保危機」ではないにせよ、今回の決算内容や期末に向けた対応を
注意してみていくつもりです。
※写真は旧奈良駅舎です。
2009年02月03日
本日(3日)昼の番組「昼エクスプレス」にゲスト出演しました。
テーマは損保3社の統合についてです。
この番組は主に個人投資家をコア視聴者としているそうで、
本来ならば株式アナリストが登場すべきと思うのですが、
なぜか私に声がかかりました。
日経CNBC・昼エクスプレス
普通のテレビ(地上波・BS)ではないので、
お話しした内容を簡単にご紹介しますと...
どういう方針で統合を進めるのか?
→ 三井住友海上HD の傘下に、あいおいとニッセイ同和の合併会社が入る。
持ち株会社に二つの大手損保がぶら下がる変わったスキーム。
統合の効果で企業価値は向上するか?
→ ①コスト削減が早期に進むかどうか、
②例えば日本生命の顧客を三井住友海上が開拓するといった
グループシナジーが働くかどうか、
③今後の海外事業、などに注目している。
今回の3社統合に刺激され、再び損保再編がおこるか?
→ 経営者が決めることだが、可能性はないとは言えない。
生保でもAIGの事業売却がある。
ただ、再編で業界が抱えている課題が解決できるとは考えにくい。
今回の統合で業界の活性化が進むか?
→ 規制緩和が進んだ今も、損保業界は古いビジネスモデルを引きずっている。
規模が小さい代理店を多く抱えていることからくる効率性の低さ、
多額の政策保有株式の存在などである。
再編とともに、新しい時代に合ったビジネスモデルの再構築が必要だ。
全部で10分ほどあったのでゆっくり話をしたところ、
ふと時計を見ると、残り12秒となっていて、最後はあわてました。
やはりテレビは難しいです。
2009年01月12日

1/7のブログで紹介できなかった年末のコメントがありました。
あえて紹介しなかったのではなく、たまたま今日になって気がついたものです。
12/27(土)読売「『保険の銀行窓販』全面解禁1年 保険各社、苦戦続く」
という記事の中で、
「銀行で保険商品を購入すると、アフターケアが心配という人はまだ多い」
というコメントが載っていました。
ただ、実のところ私はそのようなコメントをした覚えはなく、
これは別のかたのコメントのはずです
(「営業職員チャネルだとアフターケアが充実」と言わんばかりの
コメントですので、 大手生保の関係者ではないでしょうか...)。
電話取材を受けたのは事実でして、
・スロースタートは予想通り。
・加えて金融危機で貯蓄性商品もしばらく厳しい。
・同じスロースタートでも、単なる品揃え目的の銀行と
リテール戦略に本腰を入れる銀行では、将来差が出るだろう。
このような趣旨の話をしました。
ですから、上記のようなコメントになるはずはありません。
とりあえず、今回は単なるミスだと信じることにしますが、
ご参考まで。
※写真は港北駅伝大会です。1/11に日産スタジアムで開催されました。
2009年01月07日

最近取り上げられたコメントの紹介です。
・12/29のBloombergです。
損保3社の経営統合報道に関して、
「一時的なコスト削減にはつながるが効果には限界があり、
過去の再編を振り返っても高い評価はできない」
などのコメントが載りました。
あくまで一般論としてコメントしました。
Bloombergは新年特集としてテレビでも流れています。
T&Dの宮戸社長、アリアンツの三宅社長も同じ番組に出ているようです。
・12/26の保険毎日新聞(業界紙)に、生損保の中間決算についての
インタビュー記事が出ました。全面を使った破格の扱いです
(顔写真つきですが、かなり前のものですね ^^;)。
・1/8のインシュアランス(業界紙)の「主張」という欄で、
拙著「経営なき破綻」が取り上げられています。
「経営者リスクとガバナンス」というタイトルのコラムで、
経営組織には牽制機能が必要という内容です。
他にもいくつか取材を受けた記憶はあるのですが、
たぶんボツになったのでしょう。
2008年12月06日
いずれも私のコメントが載っているので、ちょっとだけ感想など。
日経は12/6(土)の4面「変調生保(下)」です。
生保の基礎利益が圧迫されているのは、
「運用不振に加えて、保有契約が落ちているのも一因」
というものです。
ただ、今回の中間決算では主要生保の基礎利益が
軒並み減少しているのですが、一時的なコスト上昇や
変額年金の責任準備金負担などもあり、
基礎的な収益力が落ちたと言うには証拠不十分です。
金利上昇や追加責任準備金の効果もあり、
少なくとも逆ざやは改善しています。
週刊朝日の記事は巷で話題になったようです。
「危ない生保」というタイトルですから無理もありません。
特に注目されたのは、「株式純資産倍率」という指標です。
「株式」「外国株式等」の合計を「実質純資産額」で割ったもので、
マスミューチュアルと三井が2倍を超えています。
編集部のオリジナルかどうか知りませんが、興味深く感じました。
もちろん、この指標だけで生保の健全性を判断することはできません。
・「外国株式等」には外国株式以外のものが含まれている
(主要生保では外貨建資産の内訳として株式が公表されています)
・株式投信やETFが反映されていない(開示資料ではわかりません)
・ヘッジ効果が反映されていない
こういった弱点もあるのですが、金融危機による内外株式の下落に
焦点を当てるという発想は理解できます。
確かに株式を持っていなければ、株安の影響を受けませんよね。
ちなみに私のコメントは、「今回は株価が落ちるスピードが格段に速い」
「①貯蓄性が高い、②予定利率が高い、③契約が終わるまでが長い
という三条件に当てはまるほど、破綻によるダメージは大きくなる」
などでした。
2008年11月15日
昨日(13日)はOLIS(財団法人アジア生命保険振興センター)
が主催する秋季セミナーで基調講演を務めました。
OLISはアジア各国の保険産業の発展を支援するための組織で、
定期的に国内やアジア各国でセミナーを行っています。
今回は「リスクマネジメント」をテーマにセミナーが行われています。
参加者は東アジア、東南アジアから来た保険会社の社員と行政官です。
日本の生保のリスク構造と中堅生保の破綻要因、行政の動向について
1時間半ほど話をしました(日本語で!)。
その後、質疑応答となったのですが、やはり質問がいつもと違いましたね。
ある行政官からは、
「リスク管理と競争力をどうバランスをとったらいいか」
という質問があったり、
「今のような金融危機時に資本規制をどうするべきか」
「生保の負債を外からどうやって分析しているか」
など、非常に専門的なものが多かったです。
同じ保険でも分野によって違うとは思いますが、
何でも日本が指導するというよりも、日本も各国と一緒に前に進む
といった段階に来ているのでしょうね。たいへん勉強になりました。
2008年11月09日
本日(11/9)の日経新聞15面は、
「保険会社が破綻したら保険金はどうなる?」
というものでした。私のコメントがいくつか載っています。
記事を補足しておきますと、責任準備金≒解約返戻金とあり、
責任準備金は最大10%削減とありますが、より正確には
「10%強の削減」です。というのも、高予定利率契約
(今の基準では3%を上回るもの=96年より前に契約したもの)
ではさらに数%削減されるからです。
また、補償される責任準備金は「全期チルメル式」のようなので、
これも責任準備金の削減要因になります
(純保険料式>全期チルメル式 なので)。
それにしても、保険会社のセーフティーネットはわかりにくいです。
先日見たBloombergの記事によると、米国では
「解約返戻金の○○ドル、または保険金の△△ドルを補償」
となっている(ただし、州によって金額が違うそうです)ようで、
このほうがわかりやすいと感じました。
ただ、この場合、保障性商品の契約者が相対的に損をする
(今の制度よりも保険金の削減が多くなる?)かもしれないので、
悩ましいところです。
2008年10月26日
昨日(25日)は日本保険学会の年次大会で
「自由化後10年の検証」というシンポジウムに登場しました。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsis2/taikai.html
司会は山下先生で、シンポジスト(と言うのだそうです)は私のほか、
慶大の堀田先生、一橋大の米山先生、弁護士の上柳先生でした。
山下先生いわく、「業界の人をあえて登場させない」ということでしたが、
報告の質はともかく、私もその方針でよかったと思います。
シンポジウムやパネルディスカッションに観客として出席すると、
どうも不満が残ることが多いです。
いいシンポジウムかどうかは各人の報告よりも、
その後のディスカッションや質疑応答に左右されるようです。
その点で昨日のシンポジウムはどうだったのでしょうか。
メンバー同士では直前までメールでのやり取りが繰り広げられ、
それなりの共通認識をもったうえでの登壇だったので、
落ち着いて本番に臨むことができました
(最後の質問?が理解できず困りましたが...)。
実のところ学会は今日も続いているのですが、
都合により初日だけの出席とさせていただきました。
2008年10月22日
本日(22日)15:30ころからのニュースの
保険特集に登場しました。
テーマは
・保険会社が破綻したらどうなるか
・保険会社の経営内容をつかむには
というもの。
今回は7分くらいあったので、比較的余裕を持って
話をすることができました。特に、
責任準備金の1割削減≠保険金・年金の削減率
という話を口頭だけで伝える限界を感じていたので、
今日はフリップを使って説明しました。
どうだったでしょうか?
このところテレビ出演が続いていますが、
生の場合、いくら事前に打ち合わせをしても
その通りにはなりません。
今日もいきなりの質問をいくつもいただきました^^
(例えばBBB+の格付けについて)
うれしかったのは拙著のPRができたことです。
「抽選で10名さまにプレゼント」という企画を通じ、
本の表紙を画面に映すことができました。
さてさて、反響はいかに。
2008年10月18日
各紙で報道されていますが、朝日にコメントが出ました。
「財務内容は見た目以上に悪い可能性が高く、
債務超過額はさらに増えるだろう」
というものです。
生保の破綻処理は、実質的にはスポンサー候補と
管財人のM&A交渉です。
できるだけ安く買いたいスポンサー候補と、
高く売りたい管財人の厳しい交渉となります。
当然ですが、スポンサー候補は厳格な資産査定を行います。
貸付金や不動産、流動性の乏しい有価証券は
大幅にディスカウントしないと誰も買ってくれません。
だから債務超過額が膨らむことになるのです。
「救済に8社が名乗り」とのことですが、
まだ中身はほとんど見ていない模様。
入札まで残るところが複数あるといいですね。
植村信保(Uemura Nobuyasu)。
保険アナリストとして、主に生命保険会社や損害保険会社の経営分析を行っています。
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