
2010年04月29日

24日の読売新聞に、
「銀行窓販の一時払い終身保険の人気が高まっている」
という記事が載りました。
「現在の低金利が続けば、結果的に銀行の定期預金より
利回りが高くなる可能性もあり、貯蓄商品としても使える」
「法定相続人1人当たり500万円の相続税非課税枠を活用できる」
というのが人気の秘密だそうです。
「貯蓄商品としても使える」といっても、数百万円、あるいは
数千万円の保険料を一括で支払える契約者なのですから、
そもそも死亡保障が主目的ではないのでしょう。
ただ、貯蓄商品としてみた場合、どうなんでしょうか。
通常は10年程度たたないと、解約返戻金が払込保険料を
下回ってしまう商品が多いようです。その後も、
「結果的に定期預金より利回りが高くなる可能性がある」
くらいのリターンしか見込めないわけですが、
10年以上も資金を固定させる見返りが少ないように感じるのは
私だけでしょうか。
他方、相続税非課税枠は確かに保険ならではです。
とはいえ、5000万円+法定相続人1人当たり1000万円の
非課税枠を超えなければ、関係ありません。
記事にはありませんでしたが、特定の人にお金を残せる、
すなわち、特定受取人の生命保険金は遺産分割の対象にならない
というメリットが最も大きいのではないかと思います
(ただし、著しく不公平な場合には遺産分割の対象になるようです)。
※毎度のことですが、コメントはあくまで個人的なもので、
仕事とは一切関係ありません。
右の写真は「二ツ池」です。三ツ池公園のそばにあります。
2010年04月25日

金融庁がHPで「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」という資料を
公表しています。よくありがちな誤解の事例集だそうです。
「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」の公表について
「正確性よりもわかりやすさに重点を置いて作成」とのことですが、
このような取り組みが継続的に必要なのでしょうね。
個人的には事例集のうち、全般的事項の2番目に取り上げられている、
「非上場の会社(中小企業など)にもIFRSは適用されるのか」
に注目しています。
ご参考までに、事例集には次のような記載がありました。
○非上場の会社(中小企業など)に対するIFRSの強制適用は、
将来的にも全く想定されていない。
(注)上場会社の連結財務諸表にIFRSを適用する場合、
当該会社の非上場の連結子会社等は親会社に対し、
親会社がIFRS適用のために必要な情報を提供する必要があるが、
その場合であっても、当該連結子会社等が作成する財務諸表に
IFRSの適用を強制することはない。
○国際的な資金調達等を行わない非上場の会社(中小企業など)には、
必ずしもIFRSとのコンバージェンス(収れん)を積極的に進める必要は
ないとの見解もあるところ。
民間の会計関係者により、「非上場会社の会計基準に関する懇談会」
が設置され、非上場会社向けの会計基準の議論開始。
※例年よりも少し寒いですが、それでも外出すると
いろいろな花が咲いていて春を感じますね。
2010年04月22日

生命保険協会が発表した2月の事業概況によると、
個人向け保険(個人保険、個人年金保険)の保有契約高が
約20年ぶりに1000円兆円の大台を割り込んだそうです。
個人向け保険の保有契約高のピークは1997年度で
1500兆円以上ありました。今はピーク時の約6割の水準です。
そんなに減ったの!という感じですが、
大手生保の顧客数がこんなに減ったのかといえば
必ずしもそうではありません。
例えば、日本生命の個人保険保有契約高は
この5年間で23%も減りました。
しかし、契約者数は12%減にとどまっています。
保有契約の減少が比較的少なかった第一生命(16%減)では、
契約者数は6%減です。
何が変わったのかというと、平均保険金が激減しています。
日本生命の保有契約の平均保険金1600万円に対し、
新契約の平均保険金は1300万円(いずれも2008年度)、
第一は保有ベースで1400万円に対し、新規は1200万円です。
住友や明治安田は新契約の平均保険金が1000万円を下回っています。
死亡保障がかなり小口化している様子が伺えますね。
※コメントはあくまで個人の見解で、仕事とは一切関係ありません。
2010年04月17日

4月も後半に入り、新たな通勤・通学客が増えたせいか、
朝の通勤電車の遅れが目立ちます。
私は毎朝、東急東横線を利用しています。
4/12(月)から16(金)まで連日10分以上遅れました。
5日間合計の遅延時間は90分です(遅延証明書HPより)。
かつてはこれほどひどくなかったように思うのですが、
気のせいでしょうか。輸送量増強工事も終わったというのに。
他の路線も調べてみると、東横線と同じように5日間連続して
10分以上遅れ、合計時間が1時間以上だった路線は次の通りでした。
<JR>
中央・総武線各駅停車(110分)、中央快速線(90分)、
横須賀線・総武快速線(90分)、山手線(80分)、埼京線(70分)
(常磐線各駅停車も90分ですが、13日は平常運転)
<東京メトロ>
日比谷線(135分)、千代田線(105分)、半蔵門線(95分)、
東西線(70分)、有楽町線(65分)
<その他>
東急東横線(90分)、東急田園都市線(75分)、西武池袋線(60分)
(東武伊勢崎線も90分ですが、14日は平常運転)
※会社により計測時間や方法が多少異なります
やはり相互乗り入れを行っている路線は遅れが目立ちますね。
東京メトロ日比谷線や千代田線、半蔵門線のように
両端で相互乗り入れをしていると、遅れる可能性も高まるのでしょう。
ただ、京急線(12日の10分のみ)、東武東上線(14日の10分のみ)は
相互乗り入れを行っていても、ほぼ定時運行でした
(乗り入れ相手はそれなりに遅れているようですが...)。
JRは中央快速線、横須賀線・総武快速線、埼京線のように、
他社線との相互乗り入れがなくても遅れがひどいようです。
日本の鉄道ダイヤの正確さは今でも世界一だと思っているのですが、
もう少し何とかならないものでしょうか。
2010年04月15日

第一生命の株式会社化・上場から2週間ほどたちました。
とりあえず売り出し価格の14万円を上回って推移しています。
まずは順調な滑り出しと言えるのでしょう。
それにしても、日経ヴェリタス(4/11)の見出しではありませんが、
生保の株価は何で決まるのでしょう。
EEVは株主価値を一定の前提で算出したものです。
第一生命のEEVは2009年9月末時点で2.5兆円。
このうち修正純資産だけでも1.8兆円あります。
しかも、平均株価は9月末に比べ1割くらい上昇しているので、
修正純資産は3000億円ほど増えている計算になります。
長期国債利回りは概ね横ばいで推移していますし、
金融・証券市場のボラティリティも落ち着いているようですので、
EEVを大きく減らす要因にはなっていないように思います。
今後獲得する新契約も価値を生み出します。
2008年度の新契約価値は通期で835億円、
2009/9期は半期で333億円です。
しかし、第一生命の時価総額は1.6兆円程度で推移しています。
第一生命に限らず、日本の上場生保の株価(時価総額)が
EEVを大きく下回っているのはなぜなのでしょうか。
EEVが前提によって大きく動くため、市場はEEVを必ずしも
信頼していないのかもしれません。
ただ、前提によって大きく振れるといっても、第一生命の場合、
修正純資産だけで時価総額を上回っています。
修正純資産に最も大きな影響を与えるのは株価なので、
もしかしたら市場は将来の株安を織り込んでいるのでしょうか。
あるいは、市場は「健全性規制の強化」→「大規模増資」
を予想しているのでしょうか。
もちろん、株価は需給で決まる面もあるでしょうから、
単に売りたい人が多いという話なのかもしれません。
それでも株式市場は日本の金融セクターや生保業界に対し、
かなり保守的に見ていると言えそうです。
※コメントはあくまで個人的なもので、仕事とは一切関係ありません。
2010年04月10日

本日(10日)の日経1面「春秋」より。
海外旅行への関心が薄いと言われる若者層のなかで
人気急上昇中の行き先がバングラデシュとのこと。
普通の観光旅行ではなく、学校建設に汗を流したり、
工場で工員と交流したり、肌で途上国を理解する旅だそうです。
私も先日行ったベトナムで同じような大学生たちと出会いました。
ベトナムのろう学校で何日間かボランティアをしてきたと、
子どもたちと遊ぶ写真を見せてもらいました。
本格的なボランティアではないけれど、単なる観光旅行ではなく、
いい旅をしているなあと感心したものです。
20代の海外渡航者数は10年前に比べ、4割近く減っています。
20代人口が2割減ということを踏まえても、かなりの落ち込みです。
就職難や所得水準の問題が大きそうですが、それだけではなく、
関心が内向きになっている面もあるのでしょう。
同じ日経1面には、日本だけが米国での留学生を減らしているという
記事が載っていました。
ただ、「みんなが行くから」「ブランド品が安く買えるから」
という旅行が減る一方で、このような体験型の旅が増えるのは、
悪い話ではないのでしょうね。
※左の写真に小さく映っている彼らが、私が出会った大学生です。
右はホイアンで「日本橋」と呼ばれている屋根付き橋。
400年前にはここに日本人町があったそうです。
2010年04月07日

久しぶりに保険ネタです。あくまで個人的なコメントで、
仕事とは一切関係ありませんのでお含み置き下さい。
2010.3.29の週刊金融財政事情に
「保険会社の時価総額世界ランキング」という論文が掲載されています。
論文のなかにセグメント別の新契約年換算保険料推移の図表がありました。
伝統的営業職員のシェアが、01年:7割 → 09年:4割と激減する一方、
銀行窓販や独立代理店(個人向け)のシェアが着実に伸びており、
日本の生保市場は市場内のマーケット・シフトが激しいとしています。
確かに伝統的営業職員のシェアは落ちているとは思いますが、
保険料なので、どうしても貯蓄性商品を扱う銀行窓販のシェアが
大きくなります。
利益、あるいは価値(EVなど)という観点で見れば、
08年度以降の銀行窓販はプラスかどうかも怪しいわけで、
保険料シェアの推移からマーケット・シフトが激しいとするのは
ちょっとミスリーディングだと思います。
他方、独立代理店(個人向け)のシェア拡大は、
もっと注目されていいのかもしれませんね。
2010年04月03日

春休みが終わってしまい、社会復帰しつつあります。
さて、ベトナムの英字新聞を読んでいて、G20の正当性が
議論になっていることに(今さらながら)気がつきました。
金融危機の発生以降、世界的な経済問題を話し合う場が
主要8カ国のG8からG20サミットに移っています。
構成国は次の通りです。
G8=カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、ロシア、英国、米国、EU
その他=豪州、メキシコ、トルコ、韓国
アルゼンチン、ブラジル、中国、インド、インドネシア、
サウジアラビア、南アフリカ
次のG20サミット(金融・世界経済に関する首脳会合)は
6月下旬にカナダのトロントで開かれる予定です。
G20は世界のGDPの9割近くを占め、先進国だけだったG8よりは
世界経済を代表したものとは言えるでしょう。
また、昨年のサミットではASEANやAU(アフリカ連合)なども
参加しています。
それでも、例えば
「メンバーは選ばれたわけではなく自薦であり、他国の同意はない」
「低所得の国やアフリカの国はほとんどメンバーになっていない」
「G8なら『金持ち国』という定義が明確だが、G20にはそれがない」
「G20サミットではなく、国連がその役割を果たすべきだ」
といった声が出ているようです。
日本でこのような報道を目にしたことがなかったのは、
日本はG5の時代からメンバーだったので、
このような国際会議への参加は当然という意識
(むしろメンバーが増えると影響力が落ちる)
があるからなのでしょう。
※ベトナムの空港で三猿ならぬ四猿の置物を見つけました。
4匹目はどういう意味なんでしょうか。
植村信保(Uemura Nobuyasu)。
保険アナリストとして、主に生命保険会社や損害保険会社の経営分析を行っています。
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