植村信保のブログ

保険アナリスト植村信保のブログ

2009年11月05日

パネルディスカッションに登場

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日本アクチュアリー会の年次大会でパネリストを務めました(11/5)。

パネルディスカッションは初日午後の特別企画
「金融危機とERM」の後半イベントでした。

前半は「金融危機への対応」について、
国際アクチュアリー会の日笠克巳会長、金融庁監督局の天谷知子さん、
日本銀行金融機構局の神津多可思さんが、それぞれ30分ずつスピーチ。

後半はパネルディスカッションで、
ニューメリカルテクノロジーズの鳥居秀行(リスクモデリングの課題)、
ソニー生命の花津谷徹さん(MCEVの見地からのリスク管理)、
タワーズ・ペリンの土井和行さん(金融危機でERMはワークしたか)、
最後に私(リスク管理の実効性)の順番でそれぞれ20分ほど話をした後、
パネリスト同士で質問したり、司会や会場からの質問に
パネリストが答えたりという構成でした。

私はともかく、人選がよかったので興味深い話が次々に出てきて、
全体として時間が足りなかったなあという印象でした。

私のプレゼンの目玉は、日本の保険会社の「リスク管理態勢実態調査」です。
日本で事業を行う24の保険グループ(総資産1兆円以上)のうち、
21グループ(25社)のリスク管理担当者へインタビューを集中的に実施。
日本の保険会社がどのようなリスク管理態勢をとっていて、
今回の金融危機でリスク管理がどのように機能したのか、
あるいは、しなかったのかについて報告しました。

日本の保険会社の話だったので、「わかりやすかった」
「自社が全体のなかでどのあたりにいるのかがわかってよかった」
「他社も同じようなことで苦労していることがわかった」
といった感想をいただきました。

今のところ未定ですが、今回の発表内容については
別の機会に何らかの形で発表したいと考えています。


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2009年11月03日

NIRAの研究報告書



総合研究開発機構(NIRA)が10月に、
「次の危機に備えた金融システムの構築」という研究報告書を発表しています。

NIRA研究報告書へ

副題に「現下の対症療法的対策の問題点を踏まえた提案」とあるように、
金融機関のリスク管理実務や経営問題に詳しい有識者が集まり、
国際機関や各国当局から出された対策や提言の問題点を指摘しつつ、
政策提言をまとめたものです。

金融危機の要因は次の二つに分けられます。

①個別金融機関の判断や経営による要因
②業界全体に共通するシステマティックな要因
 (個別金融機関経営が置かれた外部環境からの影響)

報告書では①②について、次のように述べています。

・今回の金融危機について出された国際機関や欧米監督当局
 による提言や対策は①と②を明確に区別していない、あるいは
 ①と仮定して議論している。

・当局は個別金融機関のリスク管理の弱点を矯正するため
 もっぱら「規制の強化」に頼ろうとしているが、②を変えないなかでの
 規制の強化は、新たな規制逃れやリスク・テイク拡大を促すおそれがある。

・今回の金融危機では①よりも②の影響が大きかった。
 仮に個別金融機関が、与えられた環境下でいかにリスク管理の
 高度化に励んだとしても、それだけでは今次金融危機を防ぐことは
 できなかっただろう。

・個別金融機関の経営に影響を与えるような制度やインセンティブ・
 メカニズムがしっかりと構築されていなければ、個別金融機関の
 自助努力だけに頼っても限界がある。


私は自著「経営なき破綻 平成生保危機の真実」で、

・生保破綻は②もさることながら、①の影響が大きかった
・②と①が相互に連関して経営危機が発生した

ことを示しています。

今回の危機では①②どちらの影響が大きかったのかはわかりませんが、
確かに①だけを議論しても(特に監督当局が)本質的な対策にはならない
というのは理解できる話です。


※写真は新川の南高橋(みなみたかばし)。
 中央区の文化財に指定されているそうです。

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2009年11月01日

統合損保の事業計画

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次のうち保険グループではないのはどれでしょう?(答えは一番下に)

 1. NKSJ
 2. T&D
 3. MS&AD
 4. MUFG

9/30に発表された損保3社(三井住友海上、あいおい、ニッセイ同和)統合の
基本戦略に続き、10/30には損保2社(損保ジャパン、日本興亜)統合の
事業計画が発表されました。

いずれも12/22の臨時株主総会の承認と関係当局の認可等を経て
経営統合が実現します。

両陣営の利益目標は次の通りです。

MS&AD=1500億円(国内損保1000億円、国内生保150億円、海外300億円)
NKSJ  =1600億円(国内損保900億円、国内生保500億円、海外160億円)
※MS&ADは2013年度、NKSJは2014年度

NKSJは国内生保の貢献度が大きく見えますが、
これは生保の「利益」の違いも影響しているようです。
MS&ADの生保利益が会計上の利益を修正したものなのに対し、
NKSJはEV増加額を修正したものを使っています。

ROEの見込みも同じ7%となっていますが、
分母となる「純資産」はMS&ADが連結純資産なのに対し、
NKSJは異常危険準備金や生保EVなどを加味したものなので
単純に比べることはできません。


経営統合に伴い、両者ともシステムを一元化するため、
いずれの計画でもシステム対応にかなりの時間とお金が
かかることがわかります。
NKSJの場合、2011年までは統合コストがシナジー効果を上回る見込みです。
MS&ADでも一時的なコストとして総額700億円を見込んでいます
(年間の統合効果は500億円)。


二つの統合計画を比べると、現時点で最も違うのは損保事業でしょうか。
MS&ADが統合後の損保事業再編(合併を含む)を検討するのに対し、
NKSJはあくまで「傘下に併存」「共通化/共有・高度化」です。
もちろん、最終的にどうなるかはわかりませんが。


解答は「4.MUFG」。
統合損保はそれぞれ何グループと呼んだらいいのでしょうか。


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